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「……宿命は車輪で、運命はレール」

でもお父さんは微かに笑いながら意味不明な言葉を呟いた。

「どういう意味ですか?」

「宿命がもう決まっている物だとしたら、運命はそこを走る車輪」

「意味が……」

「いくつもある支点切り替えを、自分の意思で自由に切り替える事が出来る」

「……」

「迷う奴は永遠に切り替える事なんてせずに真っ直ぐ進む。状況が変わるのが怖いからね」

「おじさん……」

「でも……自分を持っている奴も永遠に切り替えないのかもしれない。信念があるからこそ真っ直ぐに進める」

そう言いながら、お父さんは睫毛を伏せた。

「そう言う奴が切り替えるのを決意する瞬間は、きっと惑わすものが出てくるんだろうな……」
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