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「一回しか言わねえぞ」本日何度目か分からない呆れた溜め息を吐いたシロは、ビー玉の瞳を細めて私の頬に手を添えた。「守りたいって思うのも、抱きたいって思うのも、殺してえくらいムカつくのも、お前ひとりで充分だ」「……」「だから傍に居ろ。それ以外に理由がいるか?」私の体は何故か震えた。その小刻みに揺れる指先で宙をまさぐると、そのままシロの首に腕を回してた。「……シロ」「俺をやる。それ以外に欲しいものがあるなら言え」「……ない。何もない」「……もれなくリュウと智将付きだ」「すっごい嬉しい」何も泣く事じゃないのに、私は込み上げてきた涙を止められなかった。私……。こんなにも誰かを抱きしめたいって。こんなにも誰かを恋しいって思った事なかった。