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「全然好きなんかじゃない! あんなやつ、好きじゃない!」

「……」

「好きじゃない! 勘違いしないで!」

有紗の叫ぶ〝好きじゃない〟は〝好きだ〟に聞こえる。

美園にはそう思えて仕方がなかった。
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