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『俺が一文無しで。』「…、」『仕事もなくて。』「…、」『そしたら、駆け落ちしてくれる?』この男、相当なことを言ってるって気付いてんのかな。ただひたすらにその目を見返していたが、思わず息を吐き出した。そして、もう一度見つめる。「聞かないで攫うくらいすれば?」葉月が好きだし、駆け落ちだろうが夜逃げだろうが、今更だ。