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「…責任持てないから」58ページより
「…は?」
「避妊したって、それは100%じゃない
低い確率でも妊娠する可能性だってある
その時…好きじゃない女と一生を共にするなんて、俺は無理だから」
「…なら「堕ろすか離婚すればいいって?」…ああ」
すると愛也は悲しく笑った
「せっかく授かった命を自分らの勝手で奪うなんて事…許されると思う?
両者が望んで授かった命なら愛情は注いでもらえるだろうけど、片方だけだったら?
二人とも愛してくれるかもしれないし、片親だけかもしれない…最悪、愛されず捨てられるかもしれないだろ?」
「っっ!愛也、お前っ!」
はっとした俺は愛也を見ると泣きそうな顔をしてた
「それに俺は…結婚するなら、心から好きな人と家族として子供も…全力で愛してあげたい
俺はいらない子だったから捨てられたけど
そんな事、俺の家族にはしたくないから
俺と同じ思いさせたくないからね
だから、好きな人が出来るまで俺は女は抱かない
関係を持った子も自分も傷つくだけだからね」
「…お父さん」
俺の話を聞いて愛里は涙ぐむ
それを雪斗は優しく抱き寄せた
「俺はやっば、こいつには敵わんって思ったよ
それから俺は決心して春香に思いを伝えた
恥ずかしながら両想いでな
あの時愛也がああ言ってくれなければ今どうなってたか、わからんな」
俺が愛里を見て微笑むと愛里も笑ってくれた
俺はそれが愛也と由里