by
「新しく世界つくって移動するの、やめようかな」

「またオメーは思ってもねえこと言う」

「………」

分かってるよ。あたしのわがままでまた戦争を起こすわけにはいかない。

「でも、タクラばかり余裕で、ムカつく」

「相変わらずでっかい甘えん坊だな、オメーは」

「言っとくけどタクラもガキだからね」

「へいへい」

「……私、タクラなしでも生きていけるからね」

「へいへい」

「あっちの世界で、幸せになるからね」

「へいへい」

「だから、タクラも幸せになって」

「………」

「タクラが幸せになれないなら、一緒に来て」

「……なるなる、なるよ」

怪しいけど、タクラが決めたなら仕方がないんだ。

タクラがこちらの世界を選ぶなら、あたしには、口出しする権利はない。

権利はないのに、女々しい。

こんなだからタクラにガキって言われる。否定できないじゃんか。

「……あたしはこんなに会いたいのにな」

「オメーに振り回されるのも終わりかと思うと、ちょっと寂しいかもな」

「皮肉」

「そこは強がらせてくれません?」

「………」

タクラは、バカだ。

保護者面して、絶対あたしよりガキだ。
830ページより