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「どうしたらきみに伝わる。どうしたらきみに好きだと伝えられるだろう」 オスカーの声は今までになく必死で、切なく響いた。メリッサはわからないと答えた。「きみはいつも俺を突き放して、俺の愛を試そうとする。自分のことなど放ってどこかへ行ってしまえばいいと言いながら、自分を愛して欲しいと叫んでいる」 だから俺は…… と掠れた声でオスカーは抱きしめる力を込めた。メリッサがそれを抱きしめ返すことはない。抱きしめ返していいかわからなかった。「メリッサ。俺はきみをはなさない。きみが嫌だと拒絶しても、俺はどこまでもきみを追いかける。突き放すというなら、その腕を縛って抱きしめる。だからどうか──」 俺の気持ちを嘘だなんて言わないでくれ。 オスカーの声は震えていた。