薄暗いその部屋で、

「…もう、大丈夫ですよ」

って、龍哉は呟いて、あたしをゆっくり抱きしめた。

「……」

あったかい腕と、龍哉の匂いに包まれて、あたしはすごく安心出来て…思わずその背中にしがみついた。

龍哉はそっとあたしの髪を撫で、

「ここは誰も来ませんから…泣いてもいいですよ」

って囁いてくれる。

龍哉の声が優しすぎて、あたしは思わず龍哉を見上げた。

「……司さん」

龍哉の指が、そっとあたしの頬を包む。

視線が絡み合って…お互いの心臓の音が聞こえそうな沈黙の中…すっと近付いた龍哉の唇がそっとあたしの唇に重なった…。
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