シェア
「ごめんね、羽生くん、迷惑掛けて…。また来るから…って言うか来てもいい?」288ページより
「いえ。迷惑だなんて…ぜひまたいらしてください」
羽生くんは頭を下げるあたしをそう宥めてくれて、ドアの前まで見送ってくれた。
「ありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとう」
手を振り合って羽生くんと別れて、あたしは龍哉とエレベーターホールに向かった。
「龍哉もありがとね。色々…」
「いいえ。俺は司さんと飲めて楽しかったですよ」
「ありがと」
龍哉はあたしの言葉に頷くと、やってきたエレベーターにあたしを乗せてくれる。
「でも、お酒強いね、龍哉。顔色変わってない」
「そうですか?けっこう酔ってますよ?暑くてカーディガン脱いじゃいましたし」