心配になって差し出したあたしの手をランくんは掴む。

「!」

びっくりしている間に、あたしは強引にランくんにキッチンから連れ出される。

わいわいと騒いでいるリビングの声を背中に聞きながら、階段を上がっていく。

いつかのようにあたしはもつれる脚をどうにか動かして、ランくんについていった。

廊下を左に折れた正面にあるランくんの部屋。

バタン

ドアを開け、殴るように壁のスイッチを入れたランくん。

閉まったドアに、あたしの体を押し付ける。

「きゃっ…」

顔の両脇に手をつかれ、ランくんの檻に閉じ込められる。

「…黙って言うこと聞けよ」
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