シェア
心配になって差し出したあたしの手をランくんは掴む。216ページより
「!」
びっくりしている間に、あたしは強引にランくんにキッチンから連れ出される。
わいわいと騒いでいるリビングの声を背中に聞きながら、階段を上がっていく。
いつかのようにあたしはもつれる脚をどうにか動かして、ランくんについていった。
廊下を左に折れた正面にあるランくんの部屋。
バタン
ドアを開け、殴るように壁のスイッチを入れたランくん。
閉まったドアに、あたしの体を押し付ける。
「きゃっ…」
顔の両脇に手をつかれ、ランくんの檻に閉じ込められる。
「…黙って言うこと聞けよ」