映夜の顔見ただけで泣きそうになる…。

この重苦しい空気から抜け出したくて、映夜から顔を逸らした瞬間、強い力で腕を引かれた。

「痛、っ…んっ!」

悲鳴を上げた唇は、映夜の唇に包まれていた。

押し当てられた唇が冷たくて…泣きそうになる。

こんな当てつけみたいなキス、耐えられない…。

「!」

震える唇に映夜の舌が触れた瞬間、あたしは映夜を突き飛ばしていた。

「…な、何するのよっ!」

思わずそう叫んだ。

キスされる理由が分からない。

黙らせたいだけなの!?

「…うるさい」

そう言った映夜の腕があたしの両手を掴み、ベッドに押し倒した。

「!」

部屋も暗いし、映夜の顔が見えなくて…本当に怖かった。
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