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ずらり、と並んだ歯ブラシの中から自分のものを取り、歯磨き粉を付ける。ぱくん、とくわえようとした瞬間、すぐ隣にあるお風呂場のドアが開いた。「!」わ。誰か入ってたんだ!慌ててそっちに背中を向けると、「…何してんだよ」とランの声。「!!」その声がすごく近くて、思わず振り返ると、瑪瑙色の髪から水滴を落としながらあたしの顔を覗き込むランがすぐ背後に立っていた。びっくりして洗面台の中に歯ブラシを落としてしまう。カランカラン、と乾いた音が響く。「わ、…」あたしの口を素早くランが大きな手のひらで塞ぐ。「大きな声出すな」「……」