シェア
「え?…今から?おれ、せっかく仕事休みなんだけど…」303ページより
映夜の声が少し尖る。
「うん。……分かった。分かったよ。じゃぁ、待ってるから…」
ふう、とため息を吐いた映夜はケータイを折り畳んだ。
「…………」
あたしは乱れたベッドの上、俯せになったままその姿を眺めていた…。
くるり、と映夜が振り返り、その瞬間、ふわりと微笑まれる。
「…可愛い。まだ動けないの…?」
甘い声。
あったかい左手があたしの頬を撫でる。
「……」
あたしは思わず頬を染める。
映夜はもう服を着て普通でいるのに…あたしばっかり…半分脱げ掛かったバスローブもそのままに寝転がっているなんて…。
「さっきは優しく出来なくてごめんね」
「……」
映夜の言葉にあたしはあまりの恥ずかしさにシーツに顔を埋めた。