「え?…今から?おれ、せっかく仕事休みなんだけど…」

映夜の声が少し尖る。

「うん。……分かった。分かったよ。じゃぁ、待ってるから…」

ふう、とため息を吐いた映夜はケータイを折り畳んだ。

「…………」

あたしは乱れたベッドの上、俯せになったままその姿を眺めていた…。

くるり、と映夜が振り返り、その瞬間、ふわりと微笑まれる。

「…可愛い。まだ動けないの…?」

甘い声。

あったかい左手があたしの頬を撫でる。

「……」

あたしは思わず頬を染める。

映夜はもう服を着て普通でいるのに…あたしばっかり…半分脱げ掛かったバスローブもそのままに寝転がっているなんて…。

「さっきは優しく出来なくてごめんね」

「……」

映夜の言葉にあたしはあまりの恥ずかしさにシーツに顔を埋めた。
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