by
「菜智」

「はひっ」

愛しい人の声で名前を呼ばれてる。

愛しい人の笑顔があたしだけに向けられている。あたしのために、微笑んで、向けてくれている。

「好き」

他の誰でもない。

あたしへの、告白。

少し照れくさそうで、
だけどやっぱりどこか余裕があって、
大好きな黒髪の隙間から覗く耳は真っ赤で。
388ページより