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部屋の前まで行くと煌はあたしの頭をクシャッと一撫でし、「ゆっくり休めよ」と言って彼方達の元へと戻って行った。

……何なのよ。急に優しくなるとか反則だし。調子狂うじゃない。

分かってる。

煌が心配して手を引いてくれたって事ぐらい。

なんだかんだで優しいとこあるんだよね、煌って。

階段を下りていく煌の背中に、心の中で「ありがと」と小さくお礼を言った。
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