by
それは、同情なんかじゃなく、ただ、
愛されていいんだと自信を持って欲しかった。

元樹が言った様に、
無条件で守ってあげたくなる。
そんな彼女に、愛されて良かったと思って貰いたかった。

人が自分から離れていく事ばかりを経験して来た妃頼。

今だ、人が離れて行く事を怖がる彼女。

だけど、小さな事にも感動し、うりふたつになった双子すら簡単に見分けられる。

そんな妃頼だからこそ、有斗も、陸斗も
心を開く事が出来たんじゃないかと、思う。
84ページより