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 ツヤツヤでまだ真新しい写真――二枚とも、あのとき撮ったふざけた写真。そのページを開いているその手に、静かに透明な雫が落ちた。

 「え、」

 どうしたの、とは続けられなくて。

 横顔をそっと盗み見たあたしは、その長い睫毛の先から頬に伝う綺麗な雫を見る。

 どうして泣くのか、わからないけれど。

 嗚咽も上げずに、そのページで止まったままの手をどんどん濡らす涙をただ見ていた。

 タクトの間抜けな顔、あたしの馬鹿みたいな笑顔、うんざりしたようなシュウジとアキラ、驚いた顔のトウヤ、それにうに坊。

 その二枚にどう感じたのかわからないし、撮った時にはなんともなかったはずなのに。

 「たっくん、」

 小さく、声をかける。

 慌ててタクトは目元を袖口を拭って、「ごめん」と呟くように言った。

 「あ・・・いや、その、大丈夫?」

 首をかしげて表情を覗う。また泣きだしそうな顔をして、でもタクトは突然あたしの肩にごつんと頭をぶつけてきた。

 「好き」

 「にゅ?」

 「好きだ、」

 何で今言うの、とは思ったけれど。

 さらさら零れるビール色の髪と、肩だけで触れるぬくぬくとした体温があたしを黙らせる。

 「あ、あたしも、」

 言おうとしたら、その口はふさがれてしまった。

 
 やっぱり熱があったのかもしれない。やけに熱い。

 吃驚するというより、心地よくてふにゃりと目を閉じる――と、未知の感触にまた目を見開く羽目になった。

 話そうとしていたせいで隙間のあった口から、
 
 「ん、」

・・・何やら、たっくんの舌が乱入してきたらしい・・・!
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