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この世のすべてを掻きあつめてでも、リルに会いたいと思った――

雨の魔女と灰公爵 〜白薔薇が咲かないグラウオール邸の秘密〜𠮷倉史麻

◆【御礼】魔法のiらんど大賞2022恋愛ファンタジー部門特別賞受賞◆ ◆角川ビーンズ文庫さまより2023年11月1日発売◆ -------------------------  建国百周年を迎えるアストリット王国――  百年前、王とともに統一戦争を戦った四人の魔女。 そのひとり『雨の魔女アレクシア』を継承したばかりのリルは魔力が安定せず、魔法が思うように使えない。  グラウオール家の当主レオラートは、三年前に亡くなった姉の形見(ネックレス)の贈り主を探すため、リルを訪ねる。  この年、アストリット王国には雨が降りつづいていた。  現国王から密命をうけ、天候不順の原因を探るためにも『雨の魔女』に近づいたレオラート。  一方、ネックレスの手がかりを探しに、グラウオール邸を訪れたリル。そこで、白薔薇が咲かないことを知り、庭園内にある薔薇園に向かう。  場所に記憶された『残像』に遭遇し、かつて四人の魔女と初代国王との間になにが起こったのか、過去を紐解いていくリル。  師である『雨の魔女アレクシア』を亡くした悲しみから立ちあがるリルを、レオラートが寄り添い、見守っていく。  つよく、たくましく生き抜く、彼女たちの物語。
  • ファンタジー
  • 完結 89ページ
真新しい青い屋根の向こうには、透きとおる虹が架かった。
89ページより