『何やってんのよ!?このバカ!!!』

威勢のいい声が頭上から降り注ぎ、キーンと一瞬耳鳴りがした。

それにも関わらず、顔を歪ませ耳を塞いでいる俺に、

『凛を悲しませるなって言ったよね?!』

勢いよく耳朶を引っ張り、穴の奥へと向かって叫びやがる、那央。

フットワークは軽いが、これでも妊娠4ヶ月。

『いてーよ、』

『何が痛い、よ!凛のほうがもっと痛い目にあったっつーの!』

どアホ!と一括すると、耳を引っ張り離した。

『…っつ、』

思いっきり引っ張りやがって…

少し熱を帯びた耳朶に触れ、本当に悪かったと思ってると、ベットの上であぐらをかいて座る那央に視線を向けると。

『ったく、離れたいって言われてあっさり引き下がったなんて、信じられない!』

目をひんむいた、すごい形相で見下ろされていた。
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