シェア
「治療だって、その医師がいるなら京都でもイギリスでも連れて行く。」456ページより
「タスマニアでも?」
「あぁ、タスマニアでも。」
2人で顔を見合わせ声をだして笑った。
何故に私達がタスマニアにこだわるかと言うと、高校生の時にテレビでタスマニア特集があり、タスマニアに生息するタスマニアデビルに釘付けになったから。
周りは獰猛で怖いと言う。
でも、私と大翔だけはつぶらな瞳がかわいいと言った。
覚えていたんだなぁ…と嬉しかった。
「あと、お前のご両親だけどな。」
「あ、後でお父さんとお母さんに電話しとかなきゃ。」
娘が突然婚約だなんてびっくりしちゃう。
「そのご両親だけどな、前もって話は通しているんだ。
松谷の事件の前に、ご両親に話をした。
討ち入りのことも心配してたんだが、“詩織は俺が何があっても守ります”って言ったらな
“気合い入れろ“ってな。
後で報告はちゃんとしてくれって言われた。
伊織も聞いててくれて、ガンバレ〜って言ってくれた。
くくっ…本当に面白いよな伊織。」
松谷の事件の前に?
だから、大翔は守ってくれたんだね
「そっか、ありがと大翔。
後で連絡しよう。」
「そうだな。
一緒に電話するからな。」
嬉しい、普通彼女の両親って嫌なんじゃないのかな?
特に父親は。
でも大翔は…
「詩織の父上ってすごいのな。
伝説の龍神副総長だもんな。」
父上?
「なんで父上?」
「父上がそう呼べと…」