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だからって⋯殴ることないでしょ」「お前のことになると、抑えがきかない」今さらだけど、赤い頰を隠しながらため息を吐く私に、泉はさらりと返事をする。⋯⋯なぜそんなことをこんなに平気な顔で言えるのか、私は一生理解出来ない気がする。「好きだ。どうしようもなく惚れてる」いつかこの愛のセリフに慣れる日が来るのか。未来のことはよくわからない。だけどこの先、こんなにも私を想ってくれる人はきっと、二度と現れないのだと思う。『ご愁傷様。きっと彼、一生逃がしてくれないよ?』笑い混じりに呟いた凛の言葉に、嬉しいと思ってしまう私も、相当やられているような気もする。泉の手のひらにある藍色のそれを指ですくって、自分の手の中にぎゅっと握る。「⋯⋯これ、ありがとう」握っていない方の手を泉の肩にかけ、背伸びをして。「私も⋯⋯好き、だから」これまでとこれからの色んな想いを込めて、そっと泉の唇にキスを落とした。恥ずかしいから、二度としないけど。