シェア
そして耳元で囁く。475ページより
低いその声は、耳だけじゃなく、私の心に、体中に響く。
「愛してる。お前を幸せにする。」
私はゴロリと半転し、顔を合わせた。
そして反論をする。
「私も、コウを幸せにする。」
「クソ生意気なネコだな。」
フッと、飽きれたように笑うその顔は、目じりを下げ、優しい表情を見せた。
私のつよがりはここまで。
あとは、いつものように甘えさせて。
「コーウ。」
コウの懐に潜って、コウの胸に頬を寄せる。
私の愛しい人。
「コウ、愛してるよ。」
やっと言わせてもらえた。
両腕で抱かれ、すぐ近くにコウの鼓動が聞こえる。
「おう。」
コウ、ありがとう。