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そして耳元で囁く。

低いその声は、耳だけじゃなく、私の心に、体中に響く。

「愛してる。お前を幸せにする。」

私はゴロリと半転し、顔を合わせた。

そして反論をする。

「私も、コウを幸せにする。」

「クソ生意気なネコだな。」

フッと、飽きれたように笑うその顔は、目じりを下げ、優しい表情を見せた。

私のつよがりはここまで。

あとは、いつものように甘えさせて。

「コーウ。」

コウの懐に潜って、コウの胸に頬を寄せる。

私の愛しい人。

「コウ、愛してるよ。」

やっと言わせてもらえた。

両腕で抱かれ、すぐ近くにコウの鼓動が聞こえる。

「おう。」

コウ、ありがとう。
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