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『ツムちゃーん…そろそろ引っ越さない?もう少し広い部屋でツムちゃんとラブラブできる空間で暮らしたい。俺、荷造りしておくから…今度の休みに二人で不動産めぐりしよー?』

ここ最近やたらと引越しをしたがっていた遥馬。"荷造りをする"と言って荷物を片付けていたのを見て…馬鹿な私は、この先も私との生活を考えてくれている遥馬に嬉しく思い、共に荷造りを進めていた─…とんだ大馬鹿者だ。

「……遥馬っ、どこにいるの?」

ひとり逃げ回っているのではないか?と遥馬の心配をしていた私に、スーツの男が咳払いをする。

「連帯保証人になんて、簡単になるもんじゃねぇよ?けどなっちまったもんは仕方ねぇ…真田 遥馬に貸した金、長谷川さんが払ってくれるよな?」

カフェをやりたい、と言ってお金を借りると言っていた遥馬。純粋にその夢を応援してあげたくて深く考えることなく連帯保証人になることを承諾した。

五百万、なんてすぐに払えるほど私もお金に余裕がある訳じゃない─…

「お金は私が必ず払います…五百万円、ちゃんと私がお返ししますからっ、」

「……は?何言ってんの?真田に貸したのは一千万だけど?」

1000万円…?!!え、聞き間違い…?!

──…そちらこそ、何を仰ってるの?
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