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「あー…もう、ほんと可哀想だけど。確信犯だろうね…騙されて、逃げられたんだよアンタ。同情はするけどさぁ…情でなんとかなる話しでもないんだわ」

遥馬は私に嘘をついて、その上で借金を押し付けて逃げ出したってこと?4年も付き合って結婚しようって話まで出てたのにっ…あれも全部今日この日の為の─…偽り?

「じゃあ、詳しい話しはウチの事務所でしよっか?手っ取り早く返済する方法、いくつかあるから紹介するよ」

トンっと肩に手を置かれた瞬間、弾かれたようにその場を走って逃げた。

「……待てコラっ、」

すぐに追いかけて来たが、持っていた鞄を思い切り投げつけるとその中身を確認しているみたいで─…ほんの少しだけ時間をかせげた。

その隙に出来るだけ走って逃げた。逃げたところで解決するとは思えないがとりあえず今は一度、冷静になって一人で考えたかった。
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