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「おい。冷めるから早く食え」と言って
トレーの上に乗ったお鍋の蓋を開けて
あたしの太腿の上に置いたので

いろいろ考える事をやめて
蓮華を手に取りお粥を掬って口に運んだ

あ、美味しい…。

卵粥でちゃんとダシも入れてくれてるから
味もちゃんとついてる

…料理上手いんだ、意外。

そんな事を思いながら
チラッと男の顔を盗み見た。

本当に綺麗な顔してる。
切れ長な鋭い目も薄い唇も低音の声も
どこのパーツを取っても整ってる。
こんな人いるんだ…。

感心していると目が合って睨まれて
「早く食え」と言われてしまった。
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