時は妖の蔓延るもう一つの明治、変わった眼を持つせいもあり不遇の生活を送っていた令嬢の夢乃。本で見る美しい王子様のような公爵家の御曹司になぜか見初められて嫁いだつもりが、彼の素性は狼の妖だった。
何の運命か、異界にて新婚生活を送る事に相成ったうえ生贄として連れて来られた事実が発覚?!
こうなったら人生いちから開き直って、それまで楽しく暮らしますっ?!
人間界と異界(幻界)を舞台にした和風ファンタジー奇譚。
【登場人物】
主人公:中院夢乃
一応は伯爵令嬢。十七歳。
翡翠色の左眼を持つ、小柄でマイペース。
その眼は不吉だと忌み嫌われ、屋敷から出る事なくひきこもって生きてきた。その“魔眼”といわれる眼には“透視の力”があるが他人には秘密。
好きなものはチョコレイト、本を読む事、モフモフした手触りのもの。
旦那様:久我朔夜
漆黒の着物と髪色をした美しい青年。二十歳。
人間界では侯爵である久我家の御曹司として籍があり、政府内の妖討伐を管轄する所に勤務しているが、素性は幻界に住む狼の妖。狼姿の時は銀の毛をしている。
若様と呼ばれており、少々俺様気質、悪気は無いが無愛想。
天然(あまり認めたくはない)。
※本格的に人間界と幻界を行き来して展開する話を想定していますが、いったん完結設定とさせていただきます