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by
佐保彩里
6月8日
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あの月の光の匂いはしなかった。
窓の月
/中山史花
私は友達じゃないんだなとわかった。だけど、雪原のような瞳の温度でも、私には透き通って、まぶしく光って見えた。
どこも曲げたり傷つけたりしていないことを、月明かりの下でたしかめて息をついた。晴れた日に見える月の光はあかるくて、本の文字だって追えることを知った。
5ページより
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