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何が面倒だって、説明してもらおうか。」

低くドスの効いた声に振り向けば、いつのまにか夜勤明けの翔吾が背後にいた。

「ひぇ…驚かさないでよ。」

無表情のまま眼光だけ鋭く…って、何か怒ってる?

「何…が?」

「今の電話、昔の男か。」

あぁ…そう言う事か。

アメリカに帰ったレズの後輩からの電話。男と勘違いしているわけね。

「後輩。」

「で、そいつとも寝たのか。」

ん…寝たって言えば寝たんだけどね。

答えない私を肯定とみなす男。

「そいつが何の用だ。」

「アメリカで彼女と喧嘩したから、日本に来るって…で、ここに匿って欲しいって。」

「はぁ?ふざけるなよ。」

「私もそう言ったんだけどね。翔吾と暮らしてるって言ったら、会いたいって言うんだよね。」

「却下だ。」

そうなんだけどね…。

「会社にバラスって脅しかけるのよね。私の男遊び知ってるしね…。本当にバラス気はないと思うけど。」

「殺せ。」

「警察官がそれ言ったら駄目でしょ。」

「嫌、綺麗に抹消しろ。」

「あぁ…その娘さ。」

「娘?」

「うん。後輩は女。」
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