シェア
「あんたはっ・・・もっとまともなガッコ行ける筈だったじゃん。何であんたが責任取らされんの?何であんたが悪く言われないといけないの?何で、何で・・・」 悔しそうに憤る茜が、とても眩しく見えた。「ありがとう。私の為に怒ってくれて。それだけで、本当に十分だから」「・・・アタシは、あんたの名前好きだよ璃依」「・・・・・・私も、嫌いにはなれないなぁ」 秋月(あきづき) 璃依 あの人たちが “私” にくれた、数少ない贈り物だから。 捨てることも、嫌うこともできない私の名前。「茜。私ね、少しだけ好きになれたの」 あの夜、耳元で囁かれ続けた『璃依』と呼ぶ声が、私が璃依であることを認めてくれたから。「好きに、なれたの」