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そうすれば今度は、耳の輪郭をゆっくりとなぞられる。ドックンドックン、規則正しく音が鳴る。

「じゃあ、これは?」と、次にそう聞かれた時には和泉の額と私のが合わさって、一気に距離が近くなったから。

「……無理、しぬ、心臓」

「あっそ」

徐々に、輪郭が形成されていく気がした。
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