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唇が優しく触れ合ったかと思うと、「……んぅ……」すぐに友希の舌が、舞の唇をこじ開けて入り込んでくる。深く絡み合う熱は蕩ける程に熱くて、甘くて――胸がキュンと疼く度に、その苦しさのせいか少し苦味を感じる。しばらくしてから、友季がゆっくりと唇を離して――「相変わらず、苦くて甘いな。舞の唇は」幸せそうに目を細めて微笑った。「どっちがよ」舞がツンとそっぽを向く。けれど、「舞」痺れる程に甘い声で呼ばれて、振り向かないわけにはいかず。「……何?」「来年のハロウィンも、それ着て」友希の熱を帯びた目と目が合い、「もう二度と着ない」舞はまた慌ててそっぽを向いた。「店のお菓子、好きなのを好きなだけ食べていいから」そんな友希の必死な声に、「……考えておかないこともない」はっきりノーとは言えない自分がいて。