リヴィエ国の若き国王の妹であるベルティーユは、十二歳の時に敵国であるブルマリウスに人質として行く事になった。長い戦を終わらせる為の和平条約を結ぶまで、互いに人質交換を取り決めた。リヴィエ国からは王妹であるベルティーユが、ブルマリウスからは第一王女であるブランシェが人質と選抜された。
それから六年後、ベルティーユは人質の身ではあるがブルマリウス国の第二王子等から温かく迎え入れられ何事もなく平穏に過ごしていた。そして六年の協議の末、間も無く和平条約が結ばれるーー筈だった。その直前、もう一人の人質であるブランシェの訃報が届き事態は急変する。ブランシェの死因は、リヴィエ国王からの陵辱であり、その事に嘆いたブランシェは自ら命を絶ったというものだった。
これまで優しくしてくれていた第二王子のクロヴィスは人が変わったように豹変し、妹の死を嘆き怒り、報復としてベルティーユを陵辱する。更にその後、心身共に衰弱したベルティーユは、今は使われていない古い塔に幽閉された。そこにやはり以前まで優しかった筈の第三王子ロランが現れ、ベルティーユの処刑が決まった事を告げる。それから数日後の処刑執行の朝、ベルティーユを迎えに来たのは……冷酷非道と名高いブルマリウス国の王太子のレアンドルだった。そして彼は「これより君は俺の妾だ」そうベルティーユに告げた。