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サク。そんな音と共に、さっきまでクッキーをくわえていた場所に、柔らかいものが当たった。え。「か、かいと。今、したのって……」もしかしてキス、と言いかけた私の唇に指が当たった。「いたずら。」快斗はちっちゃく微笑んで、私の唇から指を離した。「2人だけで良かったね。」そう言って笑った快斗の顔が、甘くて、優しくて。2人だけの図書室で、お菓子よりも甘い恋が始まる。そんな気がした。