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私は、私のひとつひとつの選択に微塵の自信もないけれど、“私を助けてくれたひと”という揺るがない現実がそこにある。そんなこと、常識的に考えてぜったいに得策じゃないと、頭のなかではわかっているけれど、それだけのことが、私の首を縦に振らせた。 ゆっくり頷けば、藍沢さんは安心したように笑っていた。