はい。アヤちゃん。どら焼き。」
「ありがとう。」
アヤお婆ちゃんは、嬉しそうにどら焼きを手に握りしめてた。
「美人さん。好きな人いるかい?」
「いるよ。」
「恋が実るといいね。」
「そうですね。」
「切なそうじゃないかい。」
「そんなことないよ。」
「そうかい?」
「そうだよ。安心して。」
「なら、いいけど。美人さん。」

いけない。仕事中なのに、顔に出てしまったのか。集中、集中。
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