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あたしはもう、この樹のやさしい所を知っている。夢で猫ちゃん達ともお話した。不思議だったけど、怖くなかったし嫌じゃなかった。103ページより
むしろ、お話出来て嬉しかったくらいだ。
この人と一緒にいれば、きっともっと、あたしの知らない不思議なこと、いっぱい起きるのを体験するだろう。
主任が言うように、理解できなくて苦しむことも、泣きたくなることもあるだろう。
彼を傷付けてしまうかも知れない、逆にあたしが傷付くこともあるかも知れない。
それでも、あたしは、さっき目の前で震えながら返事を待つ彼に、飛びついてしまいたいくらい愛しいと言う感情が、あふれて止まらなくなった……。
仕方ない、よね?
例え、どんなコトがあっても、彼を手に入れたいと思ってしまったんだから。
「白崎、主任、……大好き」
「……ん」
あたしを抱きしめる腕に、ギュウッと、力が入る。その時の主任の心臓の音、一生忘れないって胸に誓った。