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「…白川さんのことは、本当に尊敬してて…。でも、いつからか、尊敬とは別の気持ちを持つようになったと思う」

学内で彼女を見つけると、何故か嬉しくなった。

自販機に行く回数も増えた。

食堂で別の異性と楽しそうに話す姿をみて、なぜか立ち止まってしまった。

何気なくしていた行動が、全て一つの意思によって繋がれていたことに今さら気づく。

「…………志真さん」

「んー?」

「俺、白川さんのこと、好きだよ」

「………そっか。俺は応援してる。何かあったらまた来いよ」

「…はい…!」

自分が恋をすることなど考えたこともなかったが、今はただ、素直に彼女にこの気持ちを伝えたいと、そう思った。
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