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八年間放置された妻。夫と会ったのは嫁いだ日のただの一度だけ

web版*旦那様は他人より他人です 〜結婚して八年間放置されていた妻ですが、この度旦那様と恋、始めました〜秘翠ミツキ

王妹の娘ルーフィナは、八歳の時に両親を事故で亡くした。大人達がルーフィナの引取り先で揉める中、ルーフィナはヴァノ侯爵の令息クラウス・ヴァノ(二十歳)へと嫁ぐ事に決まる。だが嫁いだその日、ヴァノ家本邸から随分と離れた別邸に連れて行かれ、クラウスは何も言わず帰って行った。それから八年間、クラウスは一度も会いに来る事はなくルーフィナは広い屋敷で使用人達と共に暮らしていた。周囲からは別居している事も白い結婚という事も認知されており、婚姻しているにも関わらずルーフィナの元には日々お見合いの話が舞い込んで来る。そんな中、ルーフィナは十六歳となり社交界デビューする事になる。そして八年振りに夫のクラウスから連絡がきた。どうやら舞踏会でルーフィナをパートナーとしてエスコートしてくれるらしいが……ルーフィナはそれを断った。その理由をクラウスの執事はこう説明をする。 「既に別の方とお約束なさったと仰っていらっしゃるらしく……クラウス様とご一緒は出来ないと……」 「……は?」 自分の妻に振られたクラウスは呆気に取られるが「何時も通り、彼女にお願いするから問題ないよ」としれっと話す。 ヴァノ侯爵夫妻は、それぞれ別のパートナーを伴い舞踏会へと向かう。
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  • 完結 93ページ
「ルーフィナ……いいのかい?」
「はい、勿論です。寧ろずっとクラウス様といられるなんて、幸せです」
「僕も幸せだよ」
93ページより