私が贈る準イベリス

作者夜月 真

 あの時、橋に身を投げ捨てて死んでいたら、きっと今もこんなことで泣くこともなかっただろうな。
 明日のクリスマス前日に、私は思い出して貰えなかったら……。そんなことばかりを考え、今日も一人、部屋の中から沈んだような月を眺めていた。生きていて良かったと思う。そして同時に、あの時死んでしまっていればと…