恋するきみは、だれよりかわいい。

作者月瀬まは


きみのかわいい笑顔が見たいから、
きみの好きな人の話をして、
きみの恋を応援した。



わたしの好きな人は

わたしのことを好きになってくれない。



どうにかして、大好きな先輩の特別になりたいのに……。




「あいつのことすきなんでしょ?」


「がんばりなよ」




好きな人の友達に背中を押されて

少しずつだけど距離が縮まってる気がしてた。



でも、おかしいね?

彼は好きな人の友達なのに。





「かわいいって言ってるの」


「会いたかったから来ただけ」


「それ、ずるいね」




いつも優しくて甘くて、わたしを翻弄する。





「まだすきなの?」




なんだか切ない表情もするから

胸が苦しくなる。




「おれじゃだめ?」


「おれのこと、すきになればいいのに」





先輩、あのね


——————わたしのすきな人は.......、






「桜音ちゃんのこと、だれよりもかわいいって思ってる」




【恋するきみは、だれよりかわいい。】