わたしの好きな人は
わたしのことを好きになってくれない。
どうにかして、大好きな先輩の特別になりたいのに……。
「あいつのことすきなんでしょ?」
「がんばりなよ」
好きな人の友達に背中を押されて
少しずつだけど距離が縮まってる気がしてた。
でも、おかしいね?
彼は好きな人の友達なのに。
「かわいいって言ってるの」
「会いたかったから来ただけ」
「それ、ずるいね」
いつも優しくて甘くて、わたしを翻弄する。
「まだすきなの?」
なんだか切ない表情もするから
胸が苦しくなる。
「おれじゃだめ?」
「おれのこと、すきになればいいのに」
先輩、あのね
——————わたしのすきな人は.......、
「桜音ちゃんのこと、だれよりもかわいいって思ってる」
【恋するきみは、だれよりかわいい。】