クラスター爆弾

ド基礎の作品
この作者の作品にはしつこい程に銃の解説がついて回り、別窓でGoogleを用意しておく必要がある。だがそれはこの作者の小説を読む上での大前提。作品自体の評価には関係ないことを先に書いておく。

「暴力によって顧客を守る」というオーソドックスな役割の主人公の物語。脇を固めるのは、善人というよりヘタレなだけの組長さんに、情婦の割には堅気な家庭の出にしか見えない金崎さん、何か強そうだけど小物な大野さん。何とも落差の激しい顔触れである。
この面子が織り成すのは、非常に基本に忠実な物語。教科書通りにドンパチし、教科書通りに裏切り、教科書通りにフルボッコする。そして、最後もまた教科書を写したような結末。深読みする必要のない、あっさりした味わいのお話である。「ちょっと小説書いてみっか。俺文章力には自信あるんだよね。あ、でもプロットとかってどう作るんだろう?」という作家の卵は、頑張って読んでみては如何だろうか。

但し女子高生が書くケータイ小説や最近湧いてきたライトノベルのようなものを志向する人には向かないので、注意されたし。