短編集/sasa
たたみこむように切りこんでくる短編集万人向けとは言い難いですが、私は好きです。短編集らしくばっさりとシャープな切り口。そこからは赤い血がダラダラと流れるのですが、それが確かに人間だということを自覚させてくれ……。丁寧な描写とわかりやすい言葉で綴られている物語なのですが、読みこむほど深く、見えない『人間』がまだそこに潜んでいるのではないかと、思わず自分の胸に聞いてみる、そんな作品集です。抽象的な紹介文になりました。好みの話ならば『マスコット』が好きです。