月森ゆら

切なくて哀しいけれど、そのぶん優しい温かさを感じる作品。
真っ直ぐで純粋な優しさを持つテレビ局員の男と、過去の辛い傷を背負いながら生きる人気女優の物語。

はじめ「どんな話かな?」と軽い気持ちで読み始めたのですが、シンプルな文体と的確な描写で物語の中へ引き込まれていきました。

作中にはメインキャラの二人をはじめ、脇を固める人物達の個性も豊かです。

その他にもタイトルである『深く碧く』という本、ヒロインの過去に関わる絵本、ガラパゴス諸島の『最後のゾウガメ』『進化するイグアナ』といったエピソードなどのアイテムが、物語をより深く際立たせていたように思いました。

特に私は雨の夜にガラパゴス諸島の会話を交わすシーンが好きです。

冒頭からぐいぐいと引き込まれるような、魅力的な作品でした☆

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