吉川 心

すれ違う恋心
久しぶりに、胸がギュッとして泣きそうになりました。

不器用な二人は、お互い想い合っているのに、いつもスレ違い、そのスレ違いに生じる切なさが胸をギュッとさせました。

けれど、読み終わった後、切なさの余韻に浸りきることが出来なかったのが、惜しかったです。

作中、主人公の葵ちゃんは元彼に裏切られ、二人の男にレイプされた、設定になっていますよね。
何だかこれが、後付け設定された感じで、少し違和感を感じました。それにそのエピソードが、作中に活かされているかと、問われば……メンタル面では、確かに活かされていたかもしれませんが、エピソードとしては活かしきれていなかった様に思います。


確かにそれがメインでは無いので、一々突っ込んでいては、ページ的にも物語的にも宜しくはないでしょう。それでも、違和感が残らない程度には、活かすべきだったと思います。

ラストに近付くにつれ、物語が駆け足で過ぎ、ちょっと詰め込み過ぎのように思いました。けれど、全体的に見れば、凄くバランスの取れた物語だったと思います。

こんなに切ないお話を書けるのは、緋色さんの才能ですね。