旬嘉

二つの事件が繋がるとき
一人の少年の目の前で自殺したある少年。
何故、彼がそんなことをしたのか。
疑問の多い事件を追う刑事の篠原。

そして時を同じくして一人のヒカルという美少
女が行方を眩ませる。
彼女の親友である恵麻はヒカルが心配でもその
行方はわからないまま。

二つの視点から二つの事件が意外な繋がりを見
せていく様は圧巻でした。

突然のヒカルの死。
彼女を殺したという恵麻の友人である一弥。
自殺した少年に、彼に目の前で自殺された少
年。
自殺した少年を知るミナトと茅乃。

少年少女たちが守りたかったもの、したかった
こと。
生きること、手離すこと。

本格的なミステリーの中に散りばめられた生と
死の大切さと儚さ。

篠原視点の淡々とした文章でミステリーを味わ
わせてくれ、恵麻視点の心理描写豊かな文章で
純文学を味わわせてもらいました。

素敵な作品をありがとうございます。