中嶋 まゆき
きっと、雨が降った後は。
殺し屋『ナイトクローラー』が出逢った、大切な存在がもたらしたものとは――……。
ヒロイン結花が明るく可愛らしく(いい意味で)普通の女の子で、殺し屋『ナイトクローラー』のもの悲しさや、『剪定』場面の緊迫感に却って拍車を掛け。
ドキドキして読み進めていました。
殺し屋という設定上、痛々しい場面も多々あるのですが、読後重苦しくなることもなく。
水溜まりはまだ乾いていないけれど、それでもすっきりと晴れた雨上がりを思わせるような……痛みは残れど、爽やかとすら思える読み終わりでした。
大団円ではないかもしれないけど、二人にとって悲恋ではなかったらいいな。
花屋さんの前を通ったり、菫色を見つけた時にふと、そんなことを思ってしまいそうです。