月森ゆら

あらゆる意味を含めて良い作品☆
社内恋愛、セクハラ、トラウマ、元恋人の失踪、女同士の友情や駆け引き…。

難しいテーマを並べつつ、現実的かつ丁寧に処理されていく、とても完成された内容だと思う。

テーマだけを見るとドロドロとした暗くて難しいお話かと思いますが、そうした雰囲気は全く感じさせない登場人物達が凄く良かったです。

特に脇役である翔子さん、高田君、広志君のキャラクターは大好きです。

ただ、とても引き込まれましたが、終盤で違和感を感じた節もあります。
心理描写はとても繊細に描かれていたけど、その部分に関しては薄かったように思えました。
重要かと思える部分だったので、勿体ないとも感じました。

それでも素晴らしい作品だと思います。
反面、この作品を読んで違和感を感じたり、不快感を感じたり、嫉妬するかもしれないし尊敬するかもしれない。
小説を書く人も、読む側の人にとっても、良くも悪くもさまざまな感情を湧き立たせるような作品だと思います。

物語はもちろんですが、そうした感情を抱かせる意味も含めて、とても良い作品だと思います。

おすすめです☆