酒月柚夜

暴走族との痛快コメディー
イタズラ大好きな主人公・皐月。転校先の学校で早くもイタズラをしかけたのだが、その相手は何と関東最強の暴走族『銀狼』の総長だった。その後成り行きで皐月は総長・星の家で居候することになり――?

族モノはシリアス展開が多いのですが、この作品は非常にコメディー要素が高いですね。読んでいてホッとする作品でもありました。ただ皐月にも暗い過去があるようで、それをこれからどう見せるのか、著者様の腕の見せ所だと思います。

欠点はまず展開が早い。元々明るい性格の人物に対しては感じませんでしたが、女嫌いの瑠衣や『皐月が嫌い』と言った彰人が皐月に心を開くのが、異常に早かった気がします。『お前は何か違う』みたいな理由もありきたりで、もっと時間をかけてやるべきだったかと。星が皐月に惚れるのも同様。

もう一つは情景描写が少なすぎる。会話文にちょくちょく主人公の心の中を入れていましたが、あれでは会話文だけで構成されてるのと同じで、読んでて目まぐるしい。誤字脱字も多いので、加筆と修正が必要かと。

ただ、主人公である皐月の設定が新しいので、読者を引き込む力はあると思います。頑張って下さい。