NOEL

切ない中の愛しさを上手く短編で表現している
短い中に、切なさと愛しさを感じられる作品でした。

主人公のキモチが丁寧に描かれてあり、文の節々から“大好き”という心理が苦しいほどに伝わってきて、自分の片想い経験を思い出させられました。

また、“あたし”と“あなた”の交わらぬ感情への悔しさもじわじわと感じられます。

更にラストで、自分の恋ではなく“あなた”の恋を応援する事を意味した文に、見えぬ切なさを強く感じました。

そして、本当に好きならば相手をの意思を尊重するのが大切なのだと知らされた気がします。


全体的に完成度が高く、夕暮れ時というのも切なさを際立たせる材料となっていたのではないでしょうか?


ただひとつ惜しむらくは、三人の関係性についての描写がない点でしょうか。例えば“あたし”と“あなたの好きな人”が友人ならば“あたし”はより切なく苦しくなり、読み手ももっと感情移入ができたかもしれません。

しかし、まとめ方も非の打ち所がないほど綺麗になっており、改稿の仕方も繊細で、重要な文の前に改稿されており、とても印象付けられ、作者様の技量に驚かされました。

良作をありがとうございます。