小泉秋歩

人生にセーブポイントは、ない。
大事な恋人との待ち合わせに行く途中、事故で死んでしまった晃。
社長と副社長の2人から求婚され、地位と財産の面から社長を選んだ由紀。
女に生まれたということで両親に疎まれ、自暴自棄になったマコト。
彼らの耳に響く、不思議な声――

「やり直したい?」

――彼らが選択した分岐点の先にあるものは?

奇妙な3つの短編オムニバス。
「もしもあの時、あっちを選んでいたらもっと幸福だったかもしれないのに…」という思いは、おそらく誰もが一度や二度は抱いたことでしょう。
これがRPG等のゲームだったら、重要な分岐点でセーブしておけば、幾らでもやり直せるのだけれども…。

1篇1篇が、肝心なシーンを中心にコンパクトにまとまっており、1頁あたりの文字量も少なめなので、一気に読み進めることができます。
個人的には「由紀編」のオチにニヤリとしました。
できればこの雰囲気であと2~3話読んでみたいですね。